JOY SPRING (ジョイ スプリング)

使用素材 赤銅、K18YG、ダイヤ0.1Ct
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このジュエリーの素材と魅力

この天才トランぺッターの、憂いを含んだ横顔と映画スターのようなシルエットは全て、
赤銅(日本古来の銅と純金の合金で、古くは刀のつば、などに使われている素材)でできています。
この赤銅を、緑青(銅が酸化されることで生成する青緑色の錆)と胆礬(たんばん:鉱物の一種)の溶液で煮ると、このように美しい紫がかった黒い色になります。
でも、「色あげ」と呼ばれるこの作業はなかなか難しく、失敗すれば、全く黒くならなかったり、茶色になったり、緑っぽくなったりするため、とても神経を使います。
端麗な黒に仕上がった彼の手元には、金の時計が光っています。
トランペットを吹く彼は、時を止めたかったのでしょうか……
K18イエローゴールドで綴られたJazzの文字には、彼の涙を表わす0.1ctのダイヤを添えました。
キラリと光る涙から、「ジョイ・スプリング」の物語が始まります。

ジュエリーに込められた物語

青年は今、失意のどん底にいました。
店の隅でキザなベーシストが彼女の細い腰を引き寄せ、
髪を撫でて唇を奪うのを目撃してしまったからです。
彼女の名はミリー。
大きく背中の開いた赤いドレスが良く似合う美しいヴォーカリストで、
青年の憧れの女性(ひと)でした。
ミリーに近づきたい一心で始めたトランペットは、
まだようやく音が出るようになったばかりだったけれど、
あまりにも早い失恋が逆に、青年の心に火をつけました。
食べることも眠ることも忘れて、トランペットに打ち込む日々……
どれくらい月日が過ぎたでしょう?
もう青年とは呼べない歳になっていた彼は、
長い孤独と引き換えに“天才トランぺッター”の名声を手に入れていました。
切ない音色が聴く人の心を締め付ける涙のトランぺッターとして。
ところがある日、いつものようにトランペットを鳴かせる彼の前に
ひとりの女性が現れます。
白いドレスを着たその可愛らしい女性は、ピアノの前に座ると、
彼のトランペットに合わせて曲を奏ではじめました。
その音色はとても優しく、なぜだか彼の心を穏やかにしました。
彼女のピアノに合わせるうちに、彼のトランペットに不思議なことが起こりました。
いつもならば、聴く人の涙を誘うはずの音色が、今日は何だか違うのです。
ふたりの素晴らしいセッションに耳を傾ける人たちは皆、どんどん笑顔になっていきます。
彼はなんとも言えない心地よい気分でトランペットを吹き続けました。
彼の心に居座っていた、長く冷たい冬が今、立ち去ろうとしています。
まるで、新しくやってきた、春の喜びに追い立てられるように。

JOY SPRING :1954年に発表されたインストルメンタル曲。名トランぺッターのクリフォード・ブラウン海辺でこの曲を吹いて彼女にプロポーズしたといいます。